電子書籍『新説 「三国志」の虚構と真実』の配信をスタートしました

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あなたの知っている「三国志」はもう古い!?

曹操] “袁紹の部下”で、袁紹の真似ばかりだった?
劉備] 人望があったのは、一線級の軍才があったから?
孫策] 急拡大できたのは父の威光ではなく、袁術の配下だったから?
周喩] 孫策とは政治的な関係で、当初は袁術の配下?
呂布] 強さの秘密は并州騎兵。董卓を殺した理由も出身地にあった?
袁術] 董卓の遷都後、実は「最も天下に近かった男」

曹操から劉備、孫策、袁術まで英雄たちの虚構と真実を明らかに!

■本書の特徴
(1)「三国志演義」と「歴史書」で人物像がまったく違う英雄たちを紹介

またレーダーチャートで、「三国志演義」と「歴史書」での能力評価をわかりや すく表記しました。

(2)さらに、最新の歴史研究によってわかった“新しい英雄たちの実像”も紹介

例えば曹操は、 かつては善人・劉備を苦しめる極悪人でしたが、『蒼天航路』などによって評価 が万能型ヒーローに変わってきました。
このように時代と視点によって、人物評価には変わっていくものです。

しかしこの“万能超人”という曹操像も、勝者として都合よく歴史を塗り替えた部 分でもあります。
昔からライバルとされてきた袁紹ですが、実際には曹操は袁紹にとってはライバ ルというほどの存在ではなく、長く“使いっ走りの部下”でした。
ビジョンのあった袁紹に比べて、曹操はあまりに場当たり的で結局袁紹の猿真似 ばかりでした。
また、天下統一を目指し、それに反対した荀彧を自殺させた冷徹なダークヒー ローとも言われますが、実際には逆で、赤壁に敗れるとすぐに天下を諦めて荀彧 を呆れさせています。

このように、「三国志演義」と「歴史書」の違いだけでなく、英雄たちの新しい 一面も紹介したいと思います。

■著者略歴
満田 剛(みつだ・たかし)
1973年、秋田県横手市に生まれる。中国・三国時代の史学史を専攻。 2001年、創 価大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。創価大学 文学部・創価高等学校地歴公民科非常勤講師を経て、現在、公益財団法人東洋哲 学研究所委嘱研究員。
東京富士美術館「大三国志展」では学術アドバイザーとして監修を担当。人文学 博士。著書に『三国志―正史と小説の狭間』『三国志赤壁伝説』(ともに白帝 社)、『三国志 最強武将Top45』(ユナイテッド・ブックス)など。監修に 『大三国志展カタログ』(東京富士美術館)、『図解 三国志 群雄勢力 マッ プ』(インフォレスト)。

■目次 
【魏の章】 
曹操
[演義] 〝悪の美学〟を貫く後漢末のアンチヒーロー
[史実] 〝袁紹の部下〟で、〝袁紹の真似ばかり〟だった?
夏侯惇
[演義] 一騎討ちでも活躍した片目の猛将
[史実] 前線よりも後方支援や内政を担った
夏侯淵
[演義] 黄忠に斬られた曹操軍の古参武将
[史実] 「白地将軍」との酷評も、西方遠征には功績
曹洪
[演義] 「やられ役」にされた曹軍の地味な功臣
[史実] 戦歴は堅実だが、〝超ケチ〟なトラブルメーカー
于禁
[演義] 曹操の姑息な悪事も遂行する「懐刀の悪い奴」
[史実] 晩節を汚すも、初期は曹操軍の超主力武将
臧覇
[演義] 呂布配下から曹操に下った「地味な賊将」
[史実] 青州兵を率い、青州・徐州を任された「影の大物」
韓浩
[演義] 「やられ役」韓玄の弟で、同じく「やられ役」
[史実] 屯田制を提案、内政・軍事に有能な「肝っ玉参謀」
陳登
[演義] 父とともに呂布を惑わした策士
[史実] 曹操や劉備が認め、孫権を撃破した「広陵の壁」
荀彧
[演義] 数々の計略を授けた「曹操軍第一の軍師」
[史実] 人材を集め、曹操政権を支えた「名族」
鍾繇
[演義] 馬超に長安を落とされた「存在感の薄い高官」
[史実] 伝説の書道家で、西を任された方面司令官
曹丕
[演義] 相当に〝S〟の部分をもつ曹操の後継者
[史実] 〝戦争以外は〟父譲りの多才さを発揮
曹真
[演義] 翻弄され続けた「諸葛亮の引き立て役」
[史実] 諸葛亮を完封した有能な司令官
司馬懿
[演義] 諸葛亮にだけ勝てない「魏の秀才軍師」
[史実] 後世の脚色も多く、軍才には疑問符も残る

【蜀の章】
劉備
[演義] 周りが助けてくれる〝仁徳の人〟
[史実] 一線級の軍才で蜀漢を築いた英雄
関羽
[演義] 劉備を助けた、事実上の『[演義]』の主人公
[史実] 自尊心が高すぎて、荊州を守れなかった方面司令官
張飛
[演義] 豪快で愛嬌豊かなトリックスター
[史実] 士大夫に媚びて、部下に厳しい嫌な奴
糜竺
[演義] 温厚で、外交を担当した「印象が薄い人」
[史実] 私財を投げ打って 裸の劉備を支えた資産家
馬超
[演義] 父を殺され曹操を追い詰めた猛将
[史実] 反逆を繰り返し身内全滅。劉備陣営では活躍なし
趙雲
[演義] 関羽・張飛に次ぐ知勇兼備の将軍
[史実] 将軍というより、劉備の〝護衛隊長〟
諸葛亮
[演義] ほぼマジシャン状態の天才軍師
[史実] 司令官としても十分優秀、劉備後の蜀漢を独裁で支える
劉禅
[演義] 蜀を滅亡に導いた〝暗愚〟の2代目
[史実] なんだかんだ30年も弱小国を保持
劉封・孟達
[演義] 関羽を嫌っていた(?)劉封/関羽を見殺しにさせた計算高い孟達
[史実] 劉家の都合に翻弄された劉封/裏切りが〝脚色〟されている孟達
糜芳・士仁
[演義] 荊州を明け渡し、再度蜀に下って殺された
[史実] 関羽を怖がり反目、その後も呉で存命
孟獲
[演義] 「七縦七擒(しちしょうしちきん)」で諸葛亮に心服した南蛮王
[史実] 降伏後に出世した〝漢人〟豪族?
馬謖
[演義] 「泣いて馬謖を斬る」の若き幹部候補
[史実] 逃亡したから?処刑された〝登山家〟
魏延
[演義] トラブルを引き起こす「叛骨の相」
[史実] 謀反人の汚名を受けた孤高の勇将
姜維
[演義] 知勇兼備の「諸葛亮の後継者」
[史実] 北伐断行で滅亡を招いた猪武者

【呉の章】
孫堅
[演義] 董卓軍を追い詰めた「孫呉政権の祖」
[史実] 独立勢力というよりは「袁術配下の一将軍」
孫策
[演義] 〝独立してから〟短期間で領土を拡大
[史実] 父の威光ではなく〝袁術勢力の〟後継者
孫権
[演義] 戦争は不得手も、人材活用に長けた名君
[史実] 面子に拘らず国を維持、ただし戦略はなし
周喩
[演義] 優秀だが、諸葛亮の引き立て役
[史実] 孫策とは〝政治的な関係〟で、当初は袁術の配下?
魯粛
[演義] 諸葛亮に振り回される〝お人よし〟
[史実] 三国時代を創った〝大戦略家〟
陸遜
[演義] 夷陵で劉備を破った「書生上がり」
[史実] 呉を地方政権化させた方面司令官
太史慈
[演義] 呉で一、二の武勇を誇るも、張遼に針鼠にされる
[史実] 赤壁前に病没。独立勢力と同列に記載される
張昭
[演義] 呉の内政と安定を担った名士
[史実] 孫権から疎まれ丞相になれず

【後漢の章】
袁紹
[演義] 威厳はあるが、「優柔不断で小物な貴公子」
[史実] 曹操のライバルというより「支配下に置いていた庇護者」
袁譚・袁熙・袁尚
[演義] 英雄・袁紹の〝残念な〟子どもたち
[史実] 若く官僚となった袁譚、身内の味方は多かった袁尚
田豊・沮授・郭図・審配
[演義] 袁紹の下で〝ずっとモメ続けた〟軍師たち
[史実] 『[演義]』が描かない「河北派と河南派の対立」
顔良・文醜
[演義] 関羽の引き立て役となった「袁紹軍の二枚看板」
[史実] 〝名将かどうかもよくわからない〟袁紹軍の将
麴義
[演義] 公孫瓚戦で活躍したが「趙雲の引き立て役」
[史実] 河北制圧に最も貢献した「対騎兵のスペシャリスト」
張角
[演義] 魔術的な力を持つ「宗教反乱の指導者」
[史実] 豪族・宦官と〝クーデター〟を計画した野心家
董卓
[演義] 漢王朝を畏れず、残虐と悪行の限りを尽くす
[史実] 遷都で天下争いから脱落した「小心な破壊王」
董承
[演義] 帝のために曹操暗殺を計画した「漢の忠臣」
[史実] したたかに生き抜いてきた「私欲の謀略家」
呂布
[演義] 裏切りを重ねた「三国志」最強の武将
[史実] 強さの秘密は出身地の「并州騎兵」
陳宮
[演義] 曹操との数奇な因縁が描かれる謀士
[史実] 呂布を完全には操縦できなかった策略家
陶謙
[演義] 劉備に国を譲った「温厚な好々爺」
[史実] 丹陽兵を基に暗躍した「袁術・袁紹に次ぐ第三勢力」
公孫瓚
[演義] 温厚で影が薄く、袁紹に滅ぼされた「白馬将軍」
[史実] 異民族に強硬策を取り続けた〝任侠派〟
袁術
[演義] 姑息で無能、救いようのない「偽皇帝」
[史実] 董卓の遷都後、「最も天下を動かした男」
劉表
[演義] 荊州に籠もって決断を先延ばし、機を逃す
[史実] 荊州平定に苦労、中央を狙う暇などなし
馬騰・韓遂
[演義] 「漢の忠臣」馬騰。「その義兄弟で馬超の後見人」韓遂
[史実] 反乱と仲違いを繰り返し、共に自滅

[サンプルページ]

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